極端な下ぶくれの丸顔で当然美人ではないが、どこか愛嬌と存在感の重みが感じられる。
能面創作期の女面の名工竜右衛門作と伝えられる。


狂言面の乙(おと)は本来乙女をあらわしているもので、用途によって醜女(しこめ)役に用いられたり、女神にも使われる。“乙”にも「ふくれ」「姫」と呼ばれ、その呼び名ごとに面相の違ったものが数多くある。