金剛流の先祖でもある金剛右京久次(俗名孫次郎)が、亡き妻の面影を偲んで打ったとされる面であり、小面よりやや年かさで成熟した女性の美しさと華やかさが香る。金剛流の代表的な女面であり、“おもかげ”と称しその後、創作者の名をとって孫次郎として伝えられている。能「井筒」「楊貴妃」「松風」「野宮」に用いられる。


金剛流とは
法隆寺に仕えた猿楽座である坂戸座を源流とする流派で、坂戸孫太郎氏勝を流祖とする。六世の三郎正明から金剛を名乗る。華麗・優美な芸風から「舞金剛」、装束や面の名品を多く所蔵することから「面金剛」とも呼ばれる。

現在の宗家は、1998年9月18日に金剛流二十六世宗家を継承した金剛永謹である。
シテ方五流の宗家の中で唯一京都在住であり、金剛能楽堂を所有している。

所在地
京都市上京区烏丸通中立売上ル 金剛能楽堂
(座席数 定席412席、補助席80席)