能の女面には若い女から老女まで年齢の違ういくつもの面があります。もっとも若い女の面が「小面」です。小面の「小」には年若いと同時に華麗さや美しさも意味します。
平安時代の貴婦人や天女などを表現する「松風」「井筒」「羽衣」に用いられます。


能の愛好家であった秀吉が「雪月花」と銘をつけた龍右衛門作の三面がとくに有名です。「花」は金剛大夫に贈られ、「月」は徳川家康に渡されたが焼失し、「雪」は金春大夫に渡ったとされています。

Close